切断

<p>レーザー切断は材料加工で重要なアプリケーションの1つで、</p>
<p>ファイバーレーザーは幅広い産業において使用されています。</p> 
<p>IPGフォトニクスは、薄板の正確な切断に優れたパルスレーザー、</p>
<p>各種材料の加工に使用するCWレーザーまで、</p>
<p>それぞれのアプリケーションに適した信頼性の高い</p>
<p>ファイバーレーザーソリューションを取り揃えています。</p>

レーザー切断は、集光レーザービームを使用して材料を加熱することにより行われます。溶解した材料はガスジェットまたは気化により効果的に除去され、切断カーフができます。レーザー切断方法には3つの基本タイプがあります。

レーザー技術

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溶断では、レーザービームが窒素やアルゴンなどの不活性ガスと同軸上で組み合わされます。レーザービームにより生成された熱によって層が溶解し、ノズルからの圧縮ガスによってカーフを通して排出されます。溶断は25mmまでの厚さの軟鋼の切断に使用できます。

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フレーム切断は反応切断とも呼ばれ、基質を発火温度まで加熱するために、レーザービームを酸素ガスまたは空気と一緒に使用します。レーザービームによって生成された熱は表面を溶解しますが、ガスは表面との間で発熱反応を示し、酸化被膜またはスラグを形成するための熱源となります。ガスジェットが基質の底部表面からスラグを排出するときに、切断カーフができます。フレーム切断は、40mmまでの厚さの軟鋼などの合金シートを比較的速い加工速度で切断するのによく使用されます。

昇華または蒸発切断は通常、層を蒸発点まで加熱することにより処理されます。この切断方法は、通常は蒸発温度が低いポリマー、木材、有機物質などの材料に使用されます。

ファイバーレーザーは、レーザー出力が変化したときでもビーム焦点とその位置を一定に保つことができる、動的な動作出力範囲を備えています。また、光学設定を変えることにより、幅広いスポットサイズを得ることができます。これらの機能により、エンドユーザーはさまざまな材料と厚さを切断するための適切な出力密度を選択することができます。IPGのファイバーレーザーは、多くのレーザー切断アプリケーションのための最適なソリューションです。

金属の種類

ステンレス鋼

カーボンスチール

金・銀

アルミニウム

工具鋼

ニッケル合金

真鍮・銅 チタン

各切断加工は、材料の種類と厚さ、必要な加工速度、エッジの品質、カーフ幅によって大きく変わります。これらの必要条件により、波長、出力、ビーム品質などのレーザーのパラメータが決まります。

連続モードまたは変調モードのIPGのシングルモードファイバーレーザーは、最小のスポットサイズに焦点を当てることができるため、薄板の切断(1mm未満)に最適です。大きな出力密度を持ち、同時に小さなスポットと優れたビーム品質も備えているため、複雑な形状の切断を高速で行うことができます。アプリケーションとしては、心臓血管ステント、ソルダーレジストステンシル、電池産業で必要となる薄い銅板の切断などがあります。多くの場合、ファイバーレーザーの処理速度に合わせて、切断は高速ガルボによって行われます。

最適なパルスを備えたQCWファイバーレーザーでも、薄い材料の複雑な形状を容易に切断できます。このパルスモード切断ではスラグと熱影響部(HAZ)を最小限に抑えることが可能で、多くの切断加工や微細加工アプリケーションで重要です。

 

 

低負荷サイクル切断加工では、非常に低い平均電力量で薄い材料や高反射率の厚い材料を切断するために高パルスエネルギーを使用します。パルスレーザー切断の例としては、セラミックや貴金属があります。20 kWのパルス電力と2 kWの平均出力を持つ高出力QCWレーザーでは、同じレーザーを使用して厚い材料も薄い材料も切断できます。また、これらのレーザーは航空宇宙産業の厚さが25 mmを超える材料の穴あけ加工アプリケーションの主力製品となっています。

ファイバーレーザーの加工時間は、出力、材料、材料の厚さが同じ条件でCO2レーザーと比較すると、非常に短くなります。また、電力消費量もCO2レーザーと比べて非常に少なく、CO2のWPEが通常9%であるのに対してファイバーレーザーでは35%を上回っています(YLS-ECOシリーズレーザーの電力変換効率は45%を超える)。使い勝手がよく、メンテナンスがほぼ不要なIPGファイバーレーザーは金属の切断に最適なソリューションです。切断の分野では、急速にCO2からファイバーレーザーへのに置き換えが進んでおり、主要な切断機のOEMの中にはファイバーベースの切断機にすでに切り替えている企業や切り替えを進めている企業が見受けられます。これらの切断機では2~6 kWのファイバーレーザーが利用でき、同じ機械で薄板も厚板も切断することができます。また、1ミクロン光は吸収性が高いため、レーザーにより、真鍮、アルミニウム、銅の切断が高生産率で行えます。

fiber laser cutting thick metal  

YLSシリーズおよびYLS-CUTシリーズの高出力CWマルチモードレーザーは、さまざまなアプリケーションで薄板から厚板までを切断するために使用できます。大きな被写界深度と小さなスポットサイズにより、厚板でも小さな切り口とまっすぐな壁面が得られます。こうした切り口の幅、またテーパーができないことは、他の金属切断技法と比べて大きな進歩です。高出力マルチモードレーザーを使用した一般的なアプリケーションには、航空宇宙アプリケーション向けのアルミニウムとチタンの合金でのリベット穴の穿孔や、造船および大型鋼材産業向けの厚板の切断があります。

IPGファイバーレーザーは、3-D切断アプリケーション用にロボットガイド式システムに設置することもできます。これらのシステムは、必要なエネルギー消費を減らして短い加工時間で厚板と薄板を切断するための、信頼性と効率性の高い方法となっています。これらのシステムに統合されたIPG切断ヘッドは、容量性の距離制御と直線的な運転能力を備えています。一般的なアプリケーションには、ハイドロフォームチューブの3-D切断や自動車の車体部品があります。これらの最先端のシステムでは、平らな加工対象物をより柔軟に切断する機能が追加されています。

 変調切断とパルス切断

すべてのIPG連続波(CW)ファイバーレーザーは、正確な切断のために数kHzまで変調することができます。IPGは、非常に多様なパルス切断プロセスを使用し、ピーク出力を向上させた独自の製品群を用意しています。これらはQCWファイバーレーザーと呼ばれます。この場合、低負荷切断プロセスでは、高いパルスエネルギーを使用して、肉厚で高反射率の材料を非常に低い平均出力で切断し、穴あけ加工します。

銅・真鍮の切断になぜファイバーレーザーが適しているのでしょうか?

小さい焦点と極めて高いパワー密度(100 MW/cm2以上):

  • 短い波長( CO²レーザーの10 µmに対して1 µm)
  • 高いビーム品質
  • 高いピークパワーのファイバーレーザーによる経済的有効性

高出力密度により、銅や真鍮のような金属は相変化を経て溶融状態になります。レーザービームは、銅や真鍮のような金属の反射に対して急速に吸収され、効率性の高い切断プロセスを始めます。反射率の高い金属切断を、CO²レーザーやローパワーの近赤外レーザーで行うのは非常に難しいです。

 

 

 

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laser cutting copper and brass with IPG's LaserCube

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