剥離加工

<p>剥離加工とは、たとえば、金属皮膜の部分剥離やパターニング、</p>
<p>電子部品からの絶縁体や絶縁保護コーティングの除去など、</p>
<p>部分的なアブレーションを利用して、基材や基板材料から</p>
<p>一種類の材料をクリーニングまたは除去することです。</p>
<p>パルスエネルギー、繰り返し率、エネルギー密度を</p>
<p>正しく制御することで正確な形状を定義でき、</p>
<p>基材の損傷を回避できます。</p>

マイクロエレクトロニクス、医療機器、自動車、航空宇宙の産業では、導体経路の定義または絶縁体の除去が共通の必要条件になっています。材料に対する薄いコーティング(通常ポリマー)が、先進技術機器の電気絶縁、生体適合性または過酷な環境からの保護のために使われています。これらの保護材は通常、保護対象の3次元の部品に密着しており、典型的なアプリケーション手法では、部品表面を未コーティングのまま残すことはほとんどありません。従来、コーティング部分を除去する最も一般的なアプローチは、コーティングの前にテープやフィルムの形で物理的マスク付けるか、ブレードで形状の外周を決めてから、後処理段階としてコーティングを剥がすことでした。ごく最近、高速かつ効率的で高精度な代替手法となって高品質の部品を作成できるレーザーシステムが発売されました。

同様に、電気的接続を得るために、導電性材料の薄いコーティング(通常は金、合金、ITO)が使われています。これらの被膜を部分的に除去して、電気的遮蔽を行ったり、特定の回線経路を定義したりすることは、一般的な製造工程です。レーザーシステムは高速で効率的な製造技術であるだけでなく、加工プログラムを簡単に変更するだけでパターン形状と回路設計を柔軟に変更できます。そのため、時間とコストをかけてマスクやツールセットを変更する必要がなくなります。

上部の材料を除去する際、下の基板の損傷を避けることは、両方のアプリケーションにおいて重要な必要条件です。材料はさまざまなレーザーの特性(波長、パルスエネルギー、パルス持続時間、フルエンス、繰り返し率など)に対して異なる反応をするため、レーザータイプと動作条件を慎重に選ぶことが必要です。

IPGのアプリケーションラボは、これらのプロセスの最適化に専念する、博士号を有する材料に関する科学者の卓越したチームを擁しています。

IPGのUVアブレーションおよび完全自動ポリマー被膜切断機の大容量製造システムは、剥離加工に適した微細加工のワークステーションです。


ワイヤー芯からのワイヤーストリッピング

バルク材からコーティングを部分的に除去する場合は、低エネルギーレーザー源が使用されます。コーティングが基材より低いエネルギー密度で除去される場合、バルク材への損傷が回避されます。部品の調整は通常5 µm以上の精度で、高精度のコーティング除去が実現します。

システム:UVアブレーション

レーザー:UV nsパルスレーザー、グリーンnsパルスレーザー、3~10ピコ秒レーザー

  Wire Stripping Polymer from Wire Core

プリント回路基板のパリレン剥離

パリレンと他の絶縁保護コーティングは、傷つきやすいワイヤボンドパッドや部品の形状を損傷することなく、電子回路基板や他のコンポーネントから容易に除去されます。調整は5 µm以上の精度で、手動ロードと完全自動操作のオプションを使用できます。

点線の左側は、パリレンが除去された状態です。

システム:ポリマー剥離切断機

レーザー:UV nsパルスレーザー

  Parylene Removal for Printed Circuit Boards

ガラスソーラーパネルからのテルル化カドミウム剥離

レーザーリフトオフ加工技術の組み合わせにより、ガラスまたはITO基板のソーラーパネルからテルル化カドミウムの薄膜を剥離するなど、1つの層を多層構造体から剥離できます。

スクライブ調整は20 µm未満の精度

レーザー:グリーンnsパルスレーザー、150ピコ秒レーザー

  CdTe Removal from Glass Solar Panel

PETへの金のパターニング

PET基板上の厚さ50 nmの金導体に、高品質なレーザーで絶縁パスを直接パターニングします。下のポリマーを損傷せずに金属を除去できるよう、パルス長とエネルギー密度が最適化されています。

システム:微細加工ワークステーション(IX-280 Multi-Beam)

レーザー:UV nsパルスレーザー、1 μm nsパルスレーザー、150ピコ秒レーザー

 

Patterning Gold on PET 


ガラスへのパターニング

材料に直接UVアブレーションを行うことにより、薄膜をパターニングします。

最小形状サイズは通常10ミクロンです。

図は、ガラス上にレーザーパターニングされた金を示します。

システム:マイクロ流体の穴あけ加工システム

レーザー:UV nsパルスレーザー、1 μm nsパルスレーザー、150ピコ秒レーザー

  Metal Patterning Film on Glass

ITO膜除去

材料に直接UVアブレーションを行うことにより、薄膜をパターニングします。

最小形状サイズは通常10ミクロン未満です。

右図:金属膜とITOのPET基板へのパターニング:線幅7 ミクロン未満

システム:ポリマー被膜切断機/穴あけ機

レーザー:UV nsパルスレーザー、1 μm nsパルスレーザー、150ピコ秒レーザー

  ITO on PET
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