熱処理

レーザーは、基材の冶金特性を保持しながら表面の摩耗を防止するため金属部品を硬化する優れた熱源です。摩耗表面にマルテンサイト層を形成し、残りの部分に対して基材の柔軟性を保持することにより、これらの部分の寿命を大きく延ばし、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。ファイバーレーザーには、レーザー以外の表面硬化技術にはないいくつかの利点があります。ファイバーレーザーは設定が容易で、正確な制御を行うことができ、レーザー出力の安定しているため、部分の歪みが非常に小さく、冷却は不要になります。

レーザー熱処理はレーザー硬化とも呼ばれ、家庭用の道具から自動車製造の部品、重工業や輸送部門の工具までのアイテムに対し、摩耗耐性を高めたり、器具の寿命を延ばしたりするための表面改質プロセスです。レーザー硬化は鋼鉄や鋳鉄材料に一般的に使用されます。レーザーは、基材の冶金特性を保持しながら、制御された局所的な加熱を行うことで金属部品の対象領域を変形させます。

 

吸収は材料のタイプ、炭素含有量、微細構造、表面の状態、サイズ、形状によって決まり、通常は表面層に限定されます。硬化の深度の範囲は0.2~2.0 mmです。加熱領域はビーム形成オプティックスにより制御できます。結果的に製造業者は、レーザーの熱処理により、正確で制御されたプロセスを利用して、摩耗耐性が高まるように工具や装置を修正することができます。

 

cross-section of a laser hardened camshaft

レーザー硬化されたカムシャフトの断面

6 kW IPGファイバーレーザーによるレーザー硬化(Preco提供)

 

通常の処理速度は1分あたり10~150 cmです。硬化の深度は、速度が上昇するにつれて減少します。達成可能な深度は合金の組成によって決まります。入手が容易な装置で達成可能な通過値の通常の幅は、0.5 mm~5 cmです。指定の手順に従って、この値を増減させることができます。

表面の硬化に適したレーザー動作モードの選択は、主に部品自体によって決まります。大部分の硬化アプリケーションでは、大部分の工業用工具のトラック硬化の場合のように、CWビームが必要です。一部の複雑な部品では、IPGのYLPNメガパルスイッテルビウムパルスレーザーなどのパルスレーザーが必要となります。

材料を望ましい深度と硬度まで硬化するのに必要な主要パラメータはレーザー出力であるため、硬化アプリケーションには大部分の近赤外線レーザーを使用することができます。鉄ベースの材料は1ミクロンの波長を容易に吸収するため、CO2レーザーの場合は部品に吸収コーティングをあらかじめ施しておく必要がありません。

 

IPGのダイオードレーザーおよび高出力ファイバーレーザーは熱処理に使用されます。利点としては、高い出力、光ファイバービームの柔軟なデリバリー、コンパクトなサイズ、ホット冗長性による高い信頼性、kWクラスのダイオードレーザーを上回る高い電力変換効率が挙げられます。

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