流れの可視化

粒子画像速度測定法(PIV)は、航空宇宙の風洞から人工装具の心臓弁の渦形成まで、エンジニアリングと科学流体力学において大きな注目を集めています。PIVは流体と気体の瞬間速度とその他の特性を測定するのに使用されます。流動力学に基づく小さなトレーサ粒子を埋め込んだ流体にレーザーが照射され、粒子が可視化されます。カメラが一連の画像を撮影し、それをもとに粒子の速度と方向が計算されます。

particle imaging velocimetry example  

流れを可視化し、流体の瞬間速度測定を確実に行うことができるのは、粒子画像速度測定法(PIV)の特質です。通常の設定では、いわゆる「トレーサ」粒子が流体に埋め込まれ、粒子が十分に小さければ、従来の流動力学を実現することができます。粒子を追跡する能力はレーザー照明によってもたらされ、調査中の流れの速度場(速度と方向)を決定するために粒子を追跡することが可能になります。PIVは非常に大きなものから微細なものまで、広範囲に適用できる点が特徴です。そのため、PIVは多くの産業に応用できます。例えば、航空宇宙の分野では航空機の翼の上での気流の流体力学研究、農業の分野では顕花植物からの種子の飛散パターンの調査、医療の分野では人工装具や医療機器の設計を可能にするための心臓弁での血液の渦のモデリングに使用できます。

パルスレーザーとCWレーザーのどちらも、PIVデータの取得に使用できます。IPGのナノ秒パルスレーザーは可視範囲で高出力を生成できる能力を備えており、パルス持続時間が短いため、カメラと同期させて使用されます。場合によっては、円柱レンズを使用してレーザー出力がライトシートとして形成されることもあります。一般的な使用法は、基本的な1ミクロンの波長または第二高調波の緑色の光でのレーザー放射です。IPGのGLPNレーザーなどの緑色のパルスレーザーは、肉眼で確認でき、コスト効率が高いため、よく使用されます。

一般的な時間分解能は、調査対象のシステムと収集する情報のタイプに応じて、数100ピコ秒からミリ秒の範囲とすることができます。

対象となる特定のシステムに合わせて放射波長、パルス持続時間、レーザー出力を調整することにより、PIV研究のための真にカスタマイズ可能な独自のソリューションとすることができます。IPG Photonicsでは、CWグリーンGLRレーザーをはじめとするCWファイバーレーザーなど、PIV研究者向けの多数のレーザーを用意しています。

  particle visualization with lasers
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